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対極に佇む少女たち -- 静流の小窓
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奇しくも似たような状況にある少女が登場する本に出会った。
内容も何も知らないままに手に取ったにも関わらず、なんと言う巡り会わせ!

どこか違和感を感じながら、家族といる時にすら異質感を感じている少女。
とは言え、拠りどころとなる人物がいる。
そこまで同じなのに、どうしてこうも違う運命を辿っていくのか…



きみよわすれないできみよわすれないで
(2001/02)
篠原 一

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少女と目の見えないピアノ調律師が交互に語る形でストーリーが展開。
主に現在を視点としているのが少女が、自らの過去と生来持っている気質を
調律師が語る。
2人の視点と言うか、同じ作者から紡がれた言葉とは思えないほどにその文体の
印象を変えていく。

孤独だけ−私に届くのはいつもあなたの孤独だけ。
それだけが私の旅をガイドする。


「質量のある闇」が彼女に広がり、同じ闇に身を置く調律師と共に過ごすことで
安らぎを得ていく。
いや、安らぎとも言い難い…
同じものを共有しているだけに、刹那的に相手を感じシンクロしていくと言った方が
近いかもしれない。

調律師(総一郎)の目が見えなくなってから暮らした叔父との奇妙とも言える
生活の中に見える情景が鮮やかに浮かんでいく。

生得的に生命のか弱い人間はいる そのことに気づきつづけている人間がいる。

世界中であらゆるものが生産されている一方で、ひとつずつ確実に
何かが壊れていくのだとしたら、私は壊れていくものに引き寄せられる子どもだった。


彼もまた、叔父を感じ同じ道を辿っていくことを自然の流れとして受け入れたのだと
思うと何処かやりきれない思いに駆られていく。
彼女は再び心の庭で調律師と出会うのだろう。
それが当然のように…

この小説は、ちょっと気分が下降気味の時には読まないことをおすすめします。
のまれてしまうだけの闇があります、そういった意味で傑作です。


黄色い目の魚黄色い目の魚
(2002/10)
佐藤 多佳子

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こちらも同じように2人の視線から描かれていって、互いに出会ってからは
同時進行で同じ出来事や思いを語っていく展開となっています。
それぞれのバックボーン、その時の思いがビシッと伝わってくる。
それは何気ない会話だったり、その間にあるフッと浮かんだ思いだったり。
“こんな思い、あったな…”って忘れかけていたものを思い出させてくれる。
それがやけに眩しいし、羨ましくもある。
とにかく、佐藤さんは心の機微の表現がとっても繊細!
凝った表現をしている訳ではなく、ストレートに胸に来る清々しさがあります。

こちらもやっぱり家族と馴染めず、叔父のイラストレーターの元に安住の地を
見出している彼女は、とってもパワフル。
思いのベクトルの向け方が分からず、不器用で表現することができない。
そんな彼女が、イタズラ書き似顔絵名人の木島と出会い変わっていく。
木島もまた一度会った父親の呪縛に、気付かないまま何かを引きずっている。

少しづつ互いを見つめ合うことで、前に進んでいく二人の姿が実に微笑ましい。
爽快感のある一冊です。

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静流

Author:静流
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